9月に入って3回目の美術展。

東京 日比谷の帝劇ビルにある出光美術館が、ビルの建て替えのため今年12月まででしばらくの間休館、そのコレクションを4回に分けて公開する “出光美術館の軌跡 ここから、さきへⅣ  物、ものを呼ぶ─伴大納言絵巻から若冲へ”  と言う展示に行ってきました。

遡る7年前の2017年、NHKのドキュメンタリーで世界最大のオークション会社クリスティーズジャパンの山口桂氏が、エツコ&ジョー・プライス氏の膨大なコレクションを日本のコレクターに譲りたい、日本との架け橋になれればお互いに幸せと言う希望で美術品の受け入れ先を選んでいました。今もその録画が大好きで数十回は見ています。

コレクションが購入されたのは出光美術館。翌年、山口桂氏はクリスティーズ・ジャパン代表取締役社長に。番組を見ていると、山口氏の美術や美術品の蒐集に対する考え方になるほどと共感したり学んだり、お人柄にも惹かれ思うことがたくさんありました。でも、同社ニューヨークの東洋美術部門インターナショナル・ディレクターからクリスティーズ・ジャパン代表取締役社長兼任にまでなっていらっしゃることは知らずにいました。

コレクションを託したジョー・プライス氏は昨年2023年に天国に召され、エツコさんも同年のその数ヶ月のちに天国へ。そう思うと、目の前に広がる出光美術館の作品群には特別な思いがありました。蒐集家の創設者出光佐三氏のコレクションは東洋の古美術が中心で、静かな趣の水墨画のような、書が御仏を表したようなものがあり、そこにいきいきと日本の四季の趣を描く屏風絵や花鳥図が華やかさを添えています。

展示を観たあとには、9階に位置する美術館から皇居のお濠をゆったり眺められる椅子があり、観たものを頭の中で整理できました。

私の年代では、ごく日常にデパートの催し場で名画や芸術作品の展示がありました。当時まだ中学生くらいでしたがいつも一人で出掛け、それからたくさんの同じような良い作品をフランスやイタリアで目にし、茶道と陶芸をしていた10年間の日本画や書、器、東洋の美術への憧れ、陶磁器を見にアジアの各国へ旅し、思えば優れた作品群に触れる機会には飛び抜けて恵まれていました。

この胸が高鳴る日のことを忘れずにいたくて、久しぶりのdiaryに書いてみました。

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