昨夜、テレビを観ていました。『パリの女たちが美しい理由』という放送でした。
おもに、ディオール社やそのミューズだったモデルのヴィクトワールのインタビュー、ディオール社のクチュリエ(ドレスを縫う専門の職人)の手仕事、ノルマンディにあるムッシュディオールの家など、テレビに釘付けになるような内容でした。ご覧になったかたもいらっしゃることでしょう。私はどきどきしながら観ていました。
私にとりフランスへの旅行は、華やかな楽しさだけではなくて、パリという街に一歩近づく過程の、こわさのようなものも秘めています。一人またはツアーで旅行者としてだけ訪れる場合は別として、フランスでフランス人の誰かと会話をするとかコミュニケーションを取るとか一人でお食事に入ってオーダーする時の最初の緊張のようなものは、いつまでも忘れることがありません。
今でこそEU圏に入ってからのパリは変わりつつありますけれど、傍若無人な振る舞いをする旅行客が無視される様子を何度も見掛けたことがあります。女性のスタッフから、服装を上から下までじっと見られたこともありますし、支払いの際の小さなトラブルもありました。デモやストライキ、道路を封鎖しての危険物爆破もありました。
そんな経験が少しずつなくなったり慣れたり、余計な緊張も少し減りましたけれど、南の島のリゾートに出掛けるのとは違う独特なものがあります。同時に、日本のような小さな国にいれば「よそ事」だと思えることが目の前で起こるような感覚を知りました。行く支度をする度に、いつまでこうして行けるだろうかと、あらためて考えます。今日はそんな日でした。
写真は、flickr に置いているパリの写真。さて、明日は寒くなりそうです。











