アイボリー色のアコヤバロックパールと、同じアコヤのライトグレイのケシパールでピアスを作りました。
さりげなく使っているアコヤのケシパール、実はとても貴重な素材です。あこや貝の中に偶然に入り込んだ砂を、真珠層が包むようにしてできますが、それは貝にとって砂は異物だからです。まさに自然が生み出す小さなアートです。
職人さんが色やシェイプを選別、グレードを揃えてこの小さな粒にホールを開け、それらを糸に通して流通されます。その作業は、私がとてもお世話になっている専門店のパールでは、日本国内でされています。価格は連によりさまざま。『巻き』とよばれる真珠層が綺麗に厚くなっているものは、比較的高価です。撮影もとても難しいので、やはり画像で選ぶネットよりも実際に店舗にお邪魔して、時間をかけてたくさんの連の実物を見せていただいて買います。選ぶうち段々と見分けがつかなくなるほどの量なので、途中からはお店の方にも一緒に選んでいただきました。アコヤが持つ『照り』とよばれる光沢も、目がくらくらしてくる原因です。
気が遠くなるような作業から生まれるケシパールは、いつまで職人さんがその作業を続けてくださるのか気になります。価格もおそろしいくらいの速さで高騰しています。数年前に買った淡水の有核バロックパールがありますが、先日のお店で同じ種類のパールのその価格を見て青ざめました。これから、LeJがストックしているパールも積極的に使い、お客さまにお届けしなければと思いました。ターコイズや珊瑚も同様で、限りある自然から生まれた素材を、LeJは大切にしながら制作していきます。
ケシパールは小粒ながらも、アコヤ独特の輝きと気品があり、独特な存在感もあります。心もちバロックのアコヤパールとはもっとも相性がよいと思って、合わせてみました。同じ形は二つとない、その魅力が大好きでずっと大切に制作に使っています。
そろそろニットが気になる頃。ベストマッチのコーディネートができそうです。
近いうちに、この愛すべきピアスをご紹介したいと思います。