ニュースウォッチ9に、リモートで、イタリアのことを中心に書かれる作家の塩野七生さんが出ていらっしゃいました。
ベネツィアのことを例に、世界はいま歴史の踊り場に立っており、その踊り場は息を整え再び上へと向かうところ、そこには自由があるのだとお話されました。quarantineとは空港で”検疫”を指しますが、もとは隔離すると言う意味。ベネツィアでペストが流行った15世紀に患者を隔離したことに由来します。政治家のお願いは一種の責任転嫁であり、戸惑う国民にお願いをするのではなく説得のようなものをすべきなのだとも仰っていました。
私はヨーロッパに住んだことはありませんけれども旅をしたことは30回ちかくあります。そのなかで、争いを繰り返し疫病に冒されながらも生き長らえて来た彼らの逞しさを何度も感じ、背筋がぞくっと凍るような冷や汗をかくぎりぎりの危ない思いをしたことも何度もあります。だから、塩野さんが仰ったように、100%安全でなければならないとかそういうことはやめたほうがいいと言うことはよく分かります。同時に失敗することが許されないのはだめだと仰ったこともよく分かります。
東京都下では信じられないような場所で店が閉じられ、がらんどうになった店舗をよく目にします。願わくば、ハンマーとダンスとがうまくバランスを取り戻せる日が早く来ますように。